2012年12月31日月曜日

極小カチでの保持力は指先の構造によるところが大きい

カチのサイズと指の力の大きさとの関連について研究した論文を読んでみた。フルテキストが見つからなかったのでAbstractのみ。

Bourne, R., Halaki, M., Vanwanseele, B., Clarke, J. (2011). "Measuring lifting forces in rock climbing: effect of hold size and fingertip structure." J Appl Biomech 27:40-46.

  • 15人のクライミング上級者を対象に、2.8mm, 4.3mm, 5.8mm, 7.3mm, 12.5mmのカチに片手でぶら下がったときの力の大きさ(床反力計で測定)と、指先の軟組織の寸法との関連を調査した
  • 2.8mm, 4.3mmでの力の大きさと、12.5mmでの力の大きさには、体重の影響を除いたとしても相関は認められなかったが(r < 0.1)、2.8mmでの力の大きさと指の先端から骨の先端までの長さには有意な正の相関があった(r = 0.65, p < 0.05)。他のサイズでは相関は見られなかった(r < 0.37)。
  • 筋力(大きなカチでの力の大きさ)から極小カチでの力の大きさを予見することはできないことが確かめられた
  • これは指先がより大きく変形し、ホールドと皮膚の接触面積が増えることで、発生する力も大きくなるということを示唆する

つまり、カチホールドに強いからといって極小カチにも強いとは限らない、ということになる。逆もまた然り。

(追記)ResearchGateでFiguresをクリックしていたら何故か全文読めた。12.5mm, 7.3mm, 5.8グループと4.3mm, 2.8mmグループは、グループ内では相関があったけどグループ間では相関がなかったそうだ。測定した接触面積との相関係数が書かれていないのだけど、接触面積が増えることで力が大きくなるという結論なので、接触面積との相関係数は示してほしかった。